第10回
annual meeting of Japanese Neuroscience Nursing
日本ニューロサイエンス看護学会
学術集会

ご挨拶

理事長 挨拶

記念すべき 10回目の学術集会に添えて

  日本ニューロサイエンス看護学会では、第10回目の学術集会が開催されます。記念すべき10回目の学術大会長として埼玉医科大学 教授の粟生田友子先生にご依頼させていただきました。粟生田先生は、長年、脳卒中者や高次脳機能障害者を対象にした看護研究を質的デザインによって積み重ねてきており、非常に著名な看護学研究者であります。今回の学術大会も「身の変化に向き合う人に寄り添う」をテーマとし、学術大会長が病者の経験や主観に焦点を当てそれらを質的に明らかにする研究の大切さが象徴されています。ニューロサイエンス看護が対象とする病者は自らの意思を明確に表現できないことが多いため、このような研究は本学会にとって重要であり必須な研究手法と内容と思います。今回の学術大会で会員の皆様とともに学びを深め、ニューロサイエンス看護の発展に貢献できればと思います。
  また今回は、学術大会終了後の夕方から夜にかけて、ポストコングレス「トワイライトセミナー」を数多く設け、会員の皆様が気軽に知識のアップデートが出来るように工夫されています。本学会では初めてのポストコングレスの試みではありますが、内容の豊富さに感動し、今からワクワクする企画の一つとなっています。
  会員の皆様はもとより、非会員の皆様もぜひ本学術大会にご参加いただき、ニューロサイエンス看護に関する知識を深め、オンライン上での交流が持てるよう期待しています。

日本ニューロサイエンス看護学会
理事長 大久保暢子

学術大会長 挨拶

  本大会はテーマを「身の変化に向き合う人に寄り添う」とし、脳卒中を中心とした脳の器質的・機能的な病態によってさまざまな「からだの変化」を体感している人々の世界をできるだけつぶさに描き、そこに深く関わり合う実践を考えていきたいという企画を盛り込みました。
  基調講演1では、道信良子先生をお迎えしました。道信先生は「ヘルスエスノグラフィー」の著者としても知られておられますが、エスノグラファーとして世界をかけめぐりながら、エスノグラフィーから見えていく「人」について、ご講演いただきます。
  基調講演2では、谷川緑野先生をお迎えしました。テレビのドキュメンタリーにも多数ご出演されておられるのでご存知の方は多いと思います。先生は、脳神経の分野では著名な上山先生とともに、札幌禎心会病院で精力的に脳神経疾患を病む人々の治療にあたってこられた豊富な臨床でのご経験をお持ちです。私たちが見る「病む人」を、現実の目線にひきもどしてくれることでしょう。ぜひ、ご講演に飛び込んでみてください。
  教育講演では、長谷川真澄先生をお迎えしました。せん妄ケアの研究に長く取り組んでこられ、看護ケアの実践知について、実態から量的・質的研究へそして、実践知を測定するツール開発に至り、この果てしない研究的な取り組みの中で、看護実践はどうあるべきかについて、一緒に考えていきたいと思います。
  シンポジウム、トワイライトセミナーは、学会参加者の皆さんとともに討議していきたいセッションを企画しました。できればたくさんの「知」に巡り合っていただくことを期待しています。また、これからのニューロサイエンス看護を一緒に探究していけるように、理事の先生方にも生の声を発信していただき、参加者の皆さまにも参加していただけるような「語り合い」の場を用意しました。さらに参加者の皆様への贈り物としてweb開催ならではの、1週間見放題の教育セミナーも用意しております。
  学会に参加していただいた後、会員の皆さまが、今度は演者として登場したいと思えるようなニューロサイエンス学会になっていけるよう企画しておりますので、web開催ではありますが、活発なご参会をお待ちしております。

埼玉医科大学
粟生田 友子